R-25の記事「マネージの意味が“管理”? ハズレです」に以下の言及がありました。
「トレードオフに直面したときにどちらかを断言できないマネージャーは二流」
「マネージの意味が“管理”? ハズレです」より
ほんとこれ→「トレードオフに直面したときにどちらかを断言できないマネージャーは二流」
— moto (@moto_recruit) 2018年12月5日
「マネージの意味が“管理”? ハズレです」田端信太郎が語るマネジメントの本質|新R25(@shin_R25)- 20代ビジネスパーソンのバイブル https://t.co/jfBy8Xrr4m
これはキャリアアップを目指す全ての人に重要な提言であると同時に、一般社員として働く方にも知ってもらいたいことです。
というのも、トレードオフを明言できない=「決断力」のない社員は、管理職でなくても仕事の邪魔にしかならないからです。
今回は仕事ができない奴は「決断力」がない!ダメなビジネスマンに共通する特徴についてお伝えします。
この記事をご覧の方には「仕事なんて所詮は金もうけの手段にすぎないということを忘れてはいけない」も参考になります。
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「決断力」は仕事の実務能力に影響を及ぼす
「決断力」は仕事の実務能力に大きな影響を及ぼします。
これは、立場が一般の社員であっても、管理職であっても同じです。
大企業に勤めているような場合は、一社員の能力が結果に影響を与えないことも多いでしょうから、私がベンチャー企業時代に、非常に苦労した部下のエピソードを紹介します。
大企業に10年以上在籍していたポンコツ部下の話
私がベンチャー企業で営業の管理職をまとめる地位にいた時も、結果の出せない管理職が一人いました。
具体的な案件などについては何も語れませんが、彼は「決断力」がなく、こちらがどのような方針を出しても、トレードオフな関係について実質的な決定を何もしませんでした。
尖った選択をすることがないため、景気がいい時や、事業そのものが上手くいっている時はいいのですが、少しでも苦しい状況になると現状を打開できなくなってしまいます。
結果として予算を達成できないという状況を何度も見てきました。
※もちろん上司としてフォローし、全体の予算は達成させていました
大企業など、成熟した市場を扱う事業であれば、無難な選択しかしない管理職でも合格点が出せるのかもしれません。
が、常に挑戦を求められるベンチャー企業に、そんな人材がいても害しかありません。
入社時の能力がはるか格下の同僚2人にごぼう抜きされる
ただ、彼の前職は中小企業ではなく、誰もが名前を知っているような大企業でした。
そのため、営業に関する数字の理解や、通常業務への適応力など、基本的な能力に関しては、同時期に迎えた他2名の社員より優れていました。
しかし、「決断力」がないのが致命的でした。
他2名の社員は、基礎能力こそ低かったのですが、素直で挑戦をいとわないため、トレードオフの「決断」を、失敗はしつつも何度も経験することになりました。
2~3年で予算達成0のポンコツマネージャーに
2~3年もすると、彼よりも他2名の社員の方が成長してしまい、彼だけが予算を達成できない状況が続き、社内の誰もが認めるポンコツマネージャーとなってしまったのでした。
彼の職歴は大企業への在籍が10年以上だったのですが、万年担当者で一度もマネージャークラスに昇進していませんでした。
彼に関しての人事権は私にはありませんでしたが、入社前に管理職経験がない理由をもっと突っ込むべきでした。
それに、大企業に10数年いるにもかかわらず、一度もマネージャークラスになっていない意味について、もっと考えるべきだったと反省しています。
トレードオフを明言できない社員は、その社員が在籍するチームが成果を上げられなくなるだけではありません。他の社員の仕事すら邪魔してしまうほど、迷惑な存在なのです。
高学歴社員が日本を滅ぼす
上念司氏の著作「高学歴社員が組織を滅ぼす」があります。
ここでの「高学歴社員」は必ずしも高学歴の社員ではなく、あらゆるビジネス上の問題に対して無難な対応しかしない社員の総称です。
そのため、仮に低学歴であっても「高学歴社員」となる可能性は誰にでもあります。
また、結局のところ、これもトレードオフとなるビジネス上の問題について、積極的にリスクを取りにいけない社員のことです。
大筋はR25とほぼ同じで、年功序列型組織のマイナス面が指摘されています。
低学歴でも「高学歴社員」になり得る
本書の「高学歴社員」は必ずしも高学歴の社員ではありません。
一つの決まった答えがあるとは限らないビジネスの世界では、最高の答えというものが存在しないケースが多いものです。
大抵の場合、トレードオフな状況となり、どちらかを決断する必要が出てきます。
高学歴な人は、受験勉強のように一つの決まった答えを出す問題は得意ですが、トレードオフを「決断」するような状況をあまり経験していないことも多いです。
そのため、あらゆる条件に配慮した玉虫色の回答をすることが多くなります。
これは実質何も決めていないのと同義で、仕事を停滞させてしまう原因にもなるものです。
「高学歴社員」は高学歴だからなるのではなく、高学歴の人がなりやすいものというだけです。つまり、低学歴であっても「高学歴社員」になる可能性は十分にあるということです。
保守的な企業ほど「高学歴社員」が出世する
「高学歴社員が組織を滅ぼす」では「積極的にリスクを取らなかった結果、失敗しなかった社員が昇進する」と記述しているが、この考え方はディルバートの法則そのままです。
ここでは、「ディルバートの法則」と、ディルバートの法則を生み出した「ピーターの法則」について説明します。
ディルバートの法則
ディルバートの法則をかいつまんで説明してみましょう。
ディルバートの法則では、組織内で出世する者を、功績を上げる者ではなく、組織に害をなさない者としている。
功績を上げるには、時に積極的にリスクを取りにいく必要もあるため、失敗して組織に損害を与える可能性も高いだろう。故に、優秀な者は無能な者より組織へのリスクを高めてしまう。
したがって、積極的にリスクを取りにいかない無能な者ほど組織内では出世する。
このような考え方に基づいたのがディルバートの法則です。
ピーターの法則
ついでにピーターの法則をかいつまんで説明してみましょう。
能力主義のピラミッド型組織において、平社員として有能な者は管理職に昇進し、その地位でも有能であればさらに出世し、その地位では有能ではない場合(無能)はそこに留まることになる。
このため、組織の構成員は、組織内で有能でなくなる地位まで出世することになり、最終的に組織内には無能の構成員しかいなくなることになってしまう。
組織が生き残れているのは、まだ出世の余地がある有能な構成員たちが、無能な構成員の代わりに仕事をこなしているためである。
これがピーターの法則です。
ちなみに、ディルバートの法則はピーターの法則の派生とされています。
減点方式では人や組織は成長しない
日本型組織の問題点はスポーツのような結果を重視する世界を見るとよく分かります。
最近ではかなりマシになったと思いますが、サッカー日本代表では、毎回決定力不足が問題になっています。
素人目に見ても、海外チームと比べてシュートを行うプレイヤーが少ないのが原因なのは明白でしょう。
日本の組織では、結果を出した人(シュートを決めたプレイヤー)より、ミスをした人(シュートを外し、失点の原因を作った人)を責める傾向が強くあると感じます。
端的に言えば減点方式です。
減点方式で、ミスを責めれば責めるほど、リスクのある行動を取る人は少なくなります。
サッカー日本代表が中々シュートを打たないのも、シュートを決めた人を褒めるより、シュートを外し(失点の原因を作っ)た人を責める傾向にあるからだと思います。
ミスをなくすために、ミスにペナルティを付けても意味がありません。ミスに対するペナルティが厳しくなるほど、何も行動しないことのメリットが上がるだけです。
日本の組織運営があまりうまくいかないのも、ミスを責める文化が根底にある気がしてなりません。
ビジネスは「決断」の連続
ビジネスではトレードオフとなる状況ばかりで平坦な道などありません。
日常業務をこなしている多くの方も、ビジネスの現場で常に決断や判断が必要になることはご存知でしょう。
そして、決断が必要な状況の多くがトレードオフであることも、理解していただけると思います。
完璧な戦略などない
会社勤めのみなさんなら、以下のような経験をしたことがあるでしょう。
新規営業を重視するという指示のもと、新規顧客の訪問に精を出していたら、社内会議で既存顧客の売上が減っていることを指摘される。
売上を重視するという指示のもと、販売キャンペーン戦略を実施したところ、社内会議で利益率の低下を指摘される。
このように、「新規営業を重視≒既存顧客は軽視」ですし、「売上を重視≒利益率は軽視」となるのは当然です。
どちらも大事なのは重々承知していますが、全ての条件をカバーできているなら、そもそも強化施策などは出てこないはずです。
会社組織あるあるとして笑い話になりますが、これこそが優秀なマネージャーが少ないことの証左ではないでしょうか。
中年になってから自分のビジネススタイルを変えるのは困難
10年以上続けたビジネススタイルを変えるのは困難です。
ベンチャー企業時代の私も、散々悩んだ結果、ポンコツマネージャーを見捨てることを決断しています。
ポンコツマネージャーの彼が予算を達成しなくても、全体で予算を達成していれば、全体の営業成績を管理している私の仕事は達成できるからです。
解雇規制がなければ、該当の社員をすぐにクビにするよう社長に進言したことでしょう。
結局は私が会社を去る結果になりましたが、他人を変えるのはほぼ不可能なので、致し方ありません。
そして、このことこそが、転職市場で評価されるのが35歳未満になる理由なのです。
人は習慣の生き物である
人は習慣に大きく依存する生き物です。
太っている人がなぜ太っているのか理解するには、一週間程度その人を観察すれば十分でしょう。
遺伝的に太りやすい体質というのもありますが、太っている人には必ず太っている理由があります。
また、ダイエットしてもなぜリバウンドするのかも明白です。ダイエットが成功した時に、今まで続けていたダイエットを止めてしまうからです。
理想的な体重を維持するには、太る習慣を止め、太らない習慣を維持しなければなりません。
これはビジネススタイルについても同じことが言えます。
習慣を変えれば思考が変わる
積極的にリスクを取りに行く姿勢がビジネスには重要です。
今では何も行動しないことすらリスクの1つですから、失敗する可能性があっても行動しなければなりません。
とは言え、「決断力」のなさに悩んでいるような方は、急にトレードオフの状況を決断しろと言われても無理でしょう。これからどんな行動をすればいいのでしょうか。
それは、決断を日常的なものにすることです。
例えば、
今日のご飯は何がいい?
と聞かれれば
ラーメンが食べたい
でもいいし
カレーが食べたい
でもいいでしょう。
最もダメなパターンは
何でもいいよ
です。誰かが損をするわけでもないので、こういった場合は必ず「何でもいい」以外の発言をしましょう。
もし、具体的な料理名がすぐ浮かばない場合は、「あっさりしたもの」「和食」「軽めに」「ガッツリ」など方向性を示すだけでもいいでしょう。
仮にラーメンが食べたいと言った後にカレーを食べる結果になっても構いません。
意見を通すことではなく、意見を表明することを癖にするのです。
他にも、通勤ルートを変えてみたり、電車通勤をバス通勤に変えたり、1駅余分に歩いてみたりするのもいいでしょう。出勤時間を変えるのもいいかもしれません。
とにかく「決める」ことを習慣づけることが大切です。
人はいきなり変われない
習慣が人を作っている以上、今から変わるというのは不可能です。
少なくとも1ヶ月、長ければ3ヶ月程度の時間は必要でしょう。
ダイエットの決意をしても、明日体重が落ちていることはありません。
しばらくの間は、自分の意識と現実のギャップに苦しむでしょうが、変えるというのはそれだけ大変なことなのです。
でも、習慣づけて変わってしまえば、息をするのと同じようにこなせるようになるでしょう。
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「会社の大きさ≠収入の多さ」になった
昔は、仕事をするならある程度の規模の組織であることの方が有利でした。
なので、多少損であっても会社員として働いた方が結果として得でした。
ですが、今では組織の大小が必ずしも成果に直結しなくなってきています。
会社組織の運営や、そのあり方について、もう一度よく考えなければいけない時代になっているのかもしれません。
より不確実な社会になった
一生同じ会社で働くつもりの人も、将来独立しようと考えている人も、転職や起業という選択肢を全く無視することはできない時代です。
もしかしたら会社が倒産してしまうかもしれませんし、ある日突然リストラされることになるかもしれません。
どんなにその会社が好きであっても、転職や独立の可能性を視野に入れながら行動するクレバーさが求められています。
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