残念ですが、既に資産を構築している以外の方が楽して稼ぐことはほぼ100%不可能です。
資産形成にはとにかく時間が必要です。私は30代になってから資産の構築に挑戦していますが、資産形成は早く始めればそれだけ効果が出るものです。
”資産形成勉強会”は『20代の頃に私が知っておきたかった資産形成に関すること』をメインの題材にしています。色々な方向から資産形成についてアプローチし、みなさんに役立つ情報が提供できれば幸いです。
資産の構築には長期的な視野が欠かせません。
そして、長期的な視点で資産を形成するなら、複利の効果をしっかり認識しておく必要もあるのです。
今回は、資産を増やすために必要となる複利の知識と効果についてお伝えします。
この記事をご覧の方は「貯蓄預金と普通預金の違いを徹底考察|口座開設の資格や金利について」も参考になります。
複利とは
銀行への貯金などをしている場合でも、わずかですが金利が付きます。
貯金の場合、年間の金利は高くても0.1%程度になるはずです。
単利と複利の違いについて
仮に100万円を年間の金利0.1%で銀行口座に預けていたとすると、1年後には100万円に金利の1,000円がプラスされます。
この場合は金利は複利ではなく単利となるのですが、2年間銀行口座に預けていた場合はどうでしょう。
2年後には、銀行口座に預けていたお金は1年後に講座にあった100万1,000円に対して年間の金利である0.1%が付きます。
2年後には100万2,001円となっています。この考え方が複利です。
複利がある場合とない場合の資産形成効果の違い
年間の金利が0.1%である場合、複利計算をしても資産はほとんど増えていきません。
今の貯金事情は年間金利が高い定期預金などにしても大同小異となっていて、現金資産を保有することはできても増やすことはできないようになっています。
複利の効能は年数が長くなるほど大きい
さて、30代になってから投資信託を始めた私ですが、投資信託を始める前に、この複利の効果がどのようなものなのか、簡単にエクセルで計算をしてみました。
現在投資しているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの場合、年間の金利はおおよそ4%~5%となっています。
セゾンが目指す年間利回りは7%となっていますが、目論見通りに相場が上がらなかった場合も考えると、期待できる年利はこのぐらいに押さえておいた方がよさそうだと個人的に判断しています。
ここで、30歳から毎月5万円を60歳になるまで投資信託で積み立てた場合と、貯金を続けた場合でどのぐらい差が出るのか比較してみます。
年間利回りが4%の場合の投資シミュレーション
年数 | 年初め合計 | 金利合計 | 年末合計 | 元金合計 | 元金差額 | 年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 年目 | 0 | 11,000 | 611,000 | 600,000 | 11,000 | 31歳 |
2 年目 | 611,000 | 35,440 | 1,246,440 | 1,200,000 | 46,440 | 32歳 |
3 年目 | 1,246,440 | 60,858 | 1,907,298 | 1,800,000 | 107,298 | 33歳 |
4 年目 | 1,907,298 | 87,292 | 2,594,590 | 2,400,000 | 194,590 | 34歳 |
5 年目 | 2,594,590 | 114,784 | 3,309,373 | 3,000,000 | 309,373 | 35歳 |
6 年目 | 3,309,373 | 143,375 | 4,052,748 | 3,600,000 | 452,748 | 36歳 |
7 年目 | 4,052,748 | 173,110 | 4,825,858 | 4,200,000 | 625,858 | 37歳 |
8 年目 | 4,825,858 | 204,034 | 5,629,892 | 4,800,000 | 829,892 | 38歳 |
9 年目 | 5,629,892 | 236,196 | 6,466,088 | 5,400,000 | 1,066,088 | 39歳 |
10 年目 | 6,466,088 | 269,644 | 7,335,731 | 6,000,000 | 1,335,731 | 40歳 |
11 年目 | 7,335,731 | 304,429 | 8,240,161 | 6,600,000 | 1,640,161 | 41歳 |
12 年目 | 8,240,161 | 340,606 | 9,180,767 | 7,200,000 | 1,980,767 | 42歳 |
13 年目 | 9,180,767 | 378,231 | 10,158,998 | 7,800,000 | 2,358,998 | 43歳 |
14 年目 | 10,158,998 | 417,360 | 11,176,358 | 8,400,000 | 2,776,358 | 44歳 |
15 年目 | 11,176,358 | 458,054 | 12,234,412 | 9,000,000 | 3,234,412 | 45歳 |
16 年目 | 12,234,412 | 500,376 | 13,334,789 | 9,600,000 | 3,734,789 | 46歳 |
17 年目 | 13,334,789 | 544,392 | 14,479,180 | 10,200,000 | 4,279,180 | 47歳 |
18 年目 | 14,479,180 | 590,167 | 15,669,347 | 10,800,000 | 4,869,347 | 48歳 |
19 年目 | 15,669,347 | 637,774 | 16,907,121 | 11,400,000 | 5,507,121 | 49歳 |
20 年目 | 16,907,121 | 687,285 | 18,194,406 | 12,000,000 | 6,194,406 | 50歳 |
21 年目 | 18,194,406 | 738,776 | 19,533,182 | 12,600,000 | 6,933,182 | 51歳 |
22 年目 | 19,533,182 | 792,327 | 20,925,510 | 13,200,000 | 7,725,510 | 52歳 |
23 年目 | 20,925,510 | 848,020 | 22,373,530 | 13,800,000 | 8,573,530 | 53歳 |
24 年目 | 22,373,530 | 905,941 | 23,879,471 | 14,400,000 | 9,479,471 | 54歳 |
25 年目 | 23,879,471 | 966,179 | 25,445,650 | 15,000,000 | 10,445,650 | 55歳 |
26 年目 | 25,445,650 | 1,028,826 | 27,074,476 | 15,600,000 | 11,474,476 | 56歳 |
27 年目 | 27,074,476 | 1,093,979 | 28,768,455 | 16,200,000 | 12,568,455 | 57歳 |
28 年目 | 28,768,455 | 1,161,738 | 30,530,193 | 16,800,000 | 13,730,193 | 58歳 |
29 年目 | 30,530,193 | 1,232,208 | 32,362,401 | 17,400,000 | 14,962,401 | 59歳 |
30 年目 | 32,362,401 | 1,305,496 | 34,267,897 | 18,000,000 | 16,267,897 | 60歳 |
1~2年ではほとんど差がなくても3年で10万円・9年で100万円の差が出る
この表は私が自分で作ったエクセル表をそのまま添付したものになります。
貯金の場合はほとんど元金と貯蓄額の差が出ませんから、貯金を続けた場合の結果は元金合計の部分を見ておけばいいでしょう。
複利の効果が出るのは年数を重ねた時です。
30年間投資を続ければ元本の1.9倍の金額になる
1年目や2年目では元金合計と投資金額にあまり差がでませんが、3年目では10万円、9年もすれば100万円もの差が出てきます。
そして、このほったらかし投資法を30年間続けた場合は、元金合計の1.9倍にまで金額が膨らんできます。
借金が雪だるま式に膨らむのも複利と同じ
この複利計算はマイナスの金利でも適用されるので、借金が雪だるま式に膨らんでいくのはこの原理が適用されることになります。
あくまでも資産が目減りしないという条件付きではありますが、年利7%を目指すファンドで、実際に4%程度の運用実績だったとしても、これほどの結果になるのは中々興味深いのではないでしょうか。
私はこのシミュレーションをしてすぐに貯金ではなく投資をすべきだという考えになりました。
ちなみに、金利の算出は、初月が12ヶ月分、2ヶ月目からは11ヶ月分、10ヶ月分…として計算しているので、大きくずれることはないと思います。
関連記事「毎月一定の金額を貯金している方におすすめの投資信託|インデックスファンドの投資≒貯金!?」
複利の恩恵を受けるには貯金ではなく投資の考え方が必要
複利が最大限効果を発揮するのは時間をかけた時です。
年利4%でも30年ほど時間をかければ約2倍にまで資産は増えていくことになります。
リスクを0にするのは不可能だがリスクを限りなく0に近づけるのは可能
もちろん資産が目減りしてしまう可能性もあるのですが、国内株式と債券に25%ずつ、海外株式と債券に25%ずつの分散投資も行ってリスクを可能な限り下げているファンドであるのも注目です。
株式投資やFX投資、投資信託などの「投資」という単語を聞いた時、多くの人は一獲千金を狙うといったイメージを持つと思いますが、このように地道に資産を増やすために投資を利用することもできるのです。
生涯現役の時代に投資は必須の金融知識
今20代や30代の若い方々が抱いている将来への漠然とした不安は、金銭的なことが原因となっている場合が多いと思います。
30歳から毎月5万円の投資をしたと考えても、年利4%で約3,400万もの資産を作ることができます。これは決して不可能な数字ではないはずです。
60歳で引退しようとしても、先立つものがなければ働き続けることになります。仮に一生働き続けるとしても、資産を持っているか持っていないかで、心の余裕は全く違うものになると思います。
私が初めて投資信託に挑戦した時に選んだインデックスファンドはセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドです。おすすめは「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、日本の株式と債券に1/4ずつ、海外の株式と債券に1/4ずつ投資するファンドです。
株式価格が上がると債券価格が下がり、債券価格が上がると株式価格が下がる傾向にあります。
なので、日本と世界が好景気であっても不景気であっても、世界経済が毎年数%の成長をする限り、年利も数%になるという商品です。
リスクを極限まで減らしつつ、銀行の預金金利よりはるかに高いリターンが期待できる商品設計が気にっています。
iDeCoの申し込みはマネックス証券がおすすめ
iDeCoで節税しながら資産づくりをはじめよう!
加入する前に知っておきたいことや
iDeCoをマネックス証券で加入するメリット
どれぐらいお得?どれぐらい貯まる?
タイプ別iDeCo加入例など
投資初心者の運用商品選びをしっかりサポート
iDeCoは月額5,000円から入会できて、資金は60歳になるまで一切手を付けることができない個人型確定拠出年金です。
拠出金額が全額所得控除され、利息などに課税されることも一切ありません。受け取り時にも税制優遇があるので、将来の資産形成に最も効果的な投資方法と言えます。
この記事をご覧の方には「iDeCoは税制上“ほぼ確実”に資産形成ができる制度|個人型確定拠出年金について」も参考になります。
iDeCoについての基礎知識をつけたい方はこちらの書籍がおすすめです。