働き始めてから定年を迎えて老後の生活をし始める頃となると、その間には長い年月があるものです。
若い頃には、ずっと先の退職後のことを考えて行動ができる方はなかなかいないのではないでしょうか。
ただ、老後を迎える頃を想像してみると、それまでの間に色々なライフイベント(結婚など)もあるでしょうし、月日はあっという間に過ぎてしまうものです。
50歳くらいになってから老後の蓄えが全くなかったなら、定年を迎えるまでに資金を用意する必要性も出てくるでしょう。
そうならないためにも、若いうちから老後には一体どの程度の貯蓄額があると不安にならずに済むのかを、把握しておくのが賢明です。ぜひ、人生設計をして老後に備えてみるのも一案です。
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老後の貯蓄はいくらあればいいのか?
老後に不安にならない貯蓄額について見ていきます。定年を迎えるまでには、5,000万円ほどの貯蓄を用意しておくのが望ましいとされています。そこまで必要なのだろうかと思われるかもしれませんが、実際には必要となるのです。
年齢を重ねると段々と遠くまで出かける機会も少なくなりますし、食も徐々に細くなってきます。よって、それならあまりお金はかからないのではないかと思われがちですが、それは違います。
もし住居が持ち家であれば、定年を機にリフォームをするかもしれません。長く住んでいる家であれば、様々な場所にトラブルも起きてきていると考えられます。
この先もずっと住んでいくなら、安心して暮らせるように壊れてしまった部分を修繕する事もあるでしょう。こうした額も必要となるため、あると安心できる額は1億円なのです。
昨今は晩婚化が進んでいて、自身が定年になったとしても子どもはまだ独身である可能性があります。その場合に、子どもが結婚する費用を定年後の親が負担するパターンもあるでしょう。
また、自身が60歳前後であり親が90歳前後であれば、介護費用も必要です。自身も年齢を重ねているので、医療費の負担はなお嵩んでしまうのが予想されます。
よって、定年をしてからも色々とお金はかかるので、1人5000万円は貯蓄しておくのが賢明です。さらに、60歳で定年して85歳まで生きるとしたら、年に400万円ほどかかるでしょう。
老後の生活に年金制度を当てにするのは危険
老後は、働くことでの収入がなくなるため不安になる方もいるかもしれません。しかし、頼りとなるはずの年金制度も、先行きがどうなるかわからないのが実情です。現在の日本の年金制度は崩壊してしまっているとも受け取れます。
よって、今後も年金をもらえると当てにするのは危険なのです。年金受給について考えている方は多くないかもしれませんが、日本の年金制度は世界的にも評価が高くないのをご存知でしょうか。
夫が通常のサラリーマンであり妻は専業主婦という家庭の場合、年金受給額は夫婦ともに65歳以上ならば、年金受給可能年齢で夫の厚生年金と妻の国民年金を合算して大体20万円が平均額とされます。
年金受給額が月20万円だと、通常の生活をするために必要な27万円と言う額には届かない可能性があります。そういったことから、余裕のある老後を過ごせるとは言い難いのです。
また、厚生労働省では年金支給年齢を70歳にまで引き上げることを検討しているとされています。厚生労働省は、年金財政が今どの様になっているのか、今後の見通しはどうなのかについていつでも検証を行っているものです。
それによって、団塊ジュニア世代を対象として年金の支給開始を70歳とする方針を、2045年を目途に検討しています。
それに、国の財政も厳しいことから、社会保障に回せるお金もなくなってきています。介護医療費が控除となる社会保障ですが、今後は高齢者の経済的な負担も増加すると考えられます。こうした点も見越して、お金をしっかりと蓄えていくのが賢明です。
自助努力で貯蓄する場合に毎月必要になる資金額
総支出額の7,440万円から年金や退職金といった総収入額の5,094万円ほどを差し引いた額が、貯蓄に必要となる額になります。試算すると、60歳までに貯蓄すべき額は約2,346万円となります。
要するに、60歳の段階で2,000万円以上の貯蓄があると安心できるので、それに向けて積み立てるのが賢明です。もし60歳までに女性が2,000万円貯めるなら、30歳から60歳までの25年間で金利を考えないのであれば、毎月66,000円積み立てなければいけません。
金利を考慮に入れるなら、例えば金利が1.0%なら60,244円の積み立てとなります。今の段階で定期積立で毎月1,500円ほど貯蓄できているなら、あと45,000円多く積み立てる必要が出てくるでしょう。しっかりと地道に積み立てることで、将来も安心できるのです。
老後に必要となる貯蓄額が夫婦で1億円ほどだとすると、その額を現役時代に40年ほど年12回に分けて貯金をしていくと、毎月20万円程度の額は必要となります。
もし女性の単身の場合であっても、やはりお金は必要です。60歳から、88歳ほどまで平均寿命を生きるとしたら、28年間あります。この28年間で必要となる総支出額は大体6,440万円であるとされています。
病気や介護、葬儀などに備えて、その予備費として1,000万円ほどをプラスしたとしたら、7,440万円となります。この額より、公的年金および退職金が差し引かれた額が、実際に貯蓄すべき額となっているのです。
年利3%で運用するなら毎月10万で約1億貯まる!?
資産を老後に備えて貯蓄していくなら、複利運用を利用するのも一案です。複利とは、利息についても利息が付与されるというものです。
100万円に対し3%の金利なら、利息は3万円となります。今年の段階で運用して得た3万円を、次の年に再投資して、103万円にして運用するのです。もしかしたら、毎月10万円でも老後に1億円の貯蓄を達成できる可能性があります。
貯蓄をしていくだけなら大変な面もあるかもしれませんが、投資をしながらであれば目標額を貯められる可能性があります。貯蓄をしつつもそれを運用に回すなど、副業でビジネスを行い、どんどんと雪ダルマのように増やしていく手法です。
例えば、毎月貯蓄をしつつ年利3%で運用した場合には、30年後には5234万円となります。ご夫婦で運用されたなら、30年後には1億円も夢ではないでしょう。
複利によるメリットを資産運用で十分に生かすなら、金額や時間、利回りが大事になってきます。まず、なるべく多くの資金を運用に回しましょう。当初運用される資金が大きければ、それだけ複利効果により増加する金額も大きくなります。
それに、若い間に資産運用を開始するのもカギです。60歳を節目とするなら、20歳であれば40年ありますが、年齢を重ねていくとそれだけ年数は少なくなります。
複利効果は、運用される期間が長ければ、それだけ乗数的に上昇していくため、長く運用できる若い方が有利になるでしょう。
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