残念ですが、既に資産を構築している以外の方が楽して稼ぐことはほぼ100%不可能です。
資産形成にはとにかく時間が必要です。私は30代になってから資産の構築に挑戦していますが、資産形成は早く始めればそれだけ効果が出るものです。
”資産形成勉強会”は『20代の頃に私が知っておきたかった資産形成に関すること』をメインの題材にしています。色々な方向から資産形成についてアプローチし、みなさんに役立つ情報が提供できれば幸いです。
銀行に預金をすると利子の20%は税金として取られてしまいますし、株などの売買による利益も同様です。
その税金を免除されるのがNISAですが、これは取引の上限が年間120万円までとなっています。これよりも節税効果の高いのが財形貯蓄です。
財形貯蓄制度を導入している企業に勤めていることが前提ですが、住宅取得や年金を目的として貯蓄であれば、合計550万円まで税金が免除されます。
NISAでの資産形成も節税になりますが、より高い節税効果を得るためには財形貯蓄は有効です。
制度を導入している企業に勤めている場合は積極的に利用したいものですし、将来的に住宅の取得を考えている場合は、財形貯蓄制度のある企業を選ぶのもおすすめです。
企業の福利厚生として行われる財形貯蓄制度ですが、長い目で見るとかなりの節税効果があります。
この記事をご覧の方には「iDeCoは税制上“ほぼ確実”に資産形成ができる制度|個人型確定拠出年金について」も参考になります。
財形貯蓄とは
財形貯蓄とは、勤務先が金融機関と提携して行うもので、給料やボーナスから天引きで貯蓄をします。
財形制度を導入している企業で働く従業員のみが利用できる制度で、企業が認めれば正社員以外のパートや契約社員も利用することができますが、役員は利用できません。
財形貯蓄の種類について
この財形貯蓄には目的に応じて3つの種類があります。
財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄、一般財形貯蓄の3つで、目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
財形貯蓄は住宅・年金・一般の3種類
一般財形貯蓄は特に目的を定めていない貯蓄で、税金面の優遇は特にありません。給料から天引きということで強制的に貯蓄できるということがメリットでしょう。
知らないうちに溜まっている、という感覚で無理なく貯金できるので、なんとなくやっている人も多いのではないでしょうか。
あとの二つは財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄で、その名の通り年金や住宅購入・増改築など使い方を限定して行う貯蓄です。
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の税制優遇措置
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は一定金額までは非課税になるなど、税金面での優遇措置があるため、老後資金や住宅購入のために普通に貯金するのであればこれらの財形貯蓄を利用したほうがお得です。
さらに、財形住宅貯蓄を1年以上していて残高が50万円以上あれば、4,000万円を上限に残高の10倍まで借り入れることが可能です。
当初5年固定で金利は0.83%となっています。
ただし中小企業に勤務する場合や、子どもを扶養している場合などはさらに0.2%引き下げて0.63%の金利となっています。フラット35との組み合わせも可能です。
しかし、目的外の用途に使う場合は、非課税期間も遡って課税となるので、その点は注意しましょう。
関連記事「貯蓄預金と普通預金の違いを徹底考察|口座開設の資格や金利について」
財形貯蓄は非課税になる金額がNISAの約5倍
財形貯蓄は給料から天引きということで、意識せずに貯められるのがいい。
ということで利用している人も多いでしょうが、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は税制上の優遇があるのも忘れてはいけません。
財形貯蓄は合計550万円が非課税になる
普通に貯金していると、利息の約20%が税金として引かれますが、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を合わせて550万円までは非課税ですので、税金として20%も利息から引かれることはありません。
そのため、用途が住宅や年金とはっきりしているのであれば、財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄を利用するのがおすすめです。
NISAの非課税額は年間120万円
NISAも一定の金額であれば非課税で取引できるので、積立型の投資信託などを利用すればお得に貯めることができますが、NISAの場合は取引上限が120万円少ないのがネックです。
財形貯蓄の場合は合計550万円と約5倍もの枠があるので、住宅購入費用をとりあえず貯めたいという場合は財形貯蓄を利用するのがよいでしょう。
もちろんNISAと併用するという方法もありますが、住宅資金や年金は貯める額が大きくなりがちですので、5倍の非課税枠というのは魅力的です。
財形貯蓄は目的外の用途で利用できない
ただし、予定が変更になって目的以外の用途に使うために解約する場合は、積み立てた年月を遡って課税されますので、かなりの税金を請求されることになります。
財形住宅貯蓄などを行う場合はとくに、将来的な住宅計画を考えてから始めるのがよいでしょう。
無理なく貯めることができるので、まとまった金額が貯めやすい上に、非課税ということで通常よりもハイペースで貯めることが可能です。
財形貯蓄を扱っている会社の特徴
財形貯蓄を利用できるのは、財形貯蓄制度を導入している企業に勤めている人だけです。
この制度は企業が福利厚生の一環として利用しているもので、すべての企業が扱うわけではありません。
導入している企業の特徴としては、やはり従業員が多い大企業が多く、従業員数が少なくなるにつれて導入割合も少なくなっています。
大企業やほど財形貯蓄がある可能性が高い
具体的には平成26年の統計で従業員人数1,000人以上の企業での導入率が75.5%、300~999人の企業で72.6%、100~299人の企業が51.8%、30~99人の企業で35%になっています。
中小企業での導入率がかなり少なくなっていることがわかります。
ただし、財形貯蓄の導入率は全体的に低下しており、最も多い1,000人以上の企業でも、平成11年は91.7%だったのが、徐々に減って平成26年で75%ですから、15年間で15%前後も減ってしまったことになります。
財形貯蓄制度が減少している要因
これは、導入している企業の中でも財形貯蓄を利用する人が減少しつつあることや、正規雇用の割合が減りつつあることなどが理由だと考えられます。
パートや契約社員なども企業によっては財形貯蓄の利用は可能なのですが、やはり利用を希望する人は正社員に比べると少なくなりますので、利用者の減少につながっているのです。
全体的には減りつつあるとはいえ、やはり財形貯蓄は規模の大きな会社のほうが使えるケースが多いため、それを視野に入れて就職などを考える場合は福利厚生の欄もしっかりチェックしておくようにしましょう。
財形貯蓄精度がある企業は、福利厚生欄に記載されているのが一般的です。
関連記事「【就活生向け】大企業と中小企業で働くメリットとデメリットについて」
従業員持ち株会もおすすめの貯蓄方法です
企業によっては従業員持ち株会という制度もあります。
これは、企業が奨励金などを出して従業員が自社株を取得しやすくする制度で、従業員持ち株会入会後に毎月の給料から天引きという形で少しずつ株を購入していく形になります。
取得は基本的に時価ということになりますが、奨励金があることで割安で購入できるため、株価が大きく下がらない限り損をすることなく有利に資産形成をすることができるのです。
給料天引きで資産を作れるメリット
給料天引きなので、無理をして貯金をする、ということもなく、自然に資産ができていくのもメリットでしょう。
なかなかもらった給料の中から貯金をするのは難しいものですが、はじめから天引きしてくれたらうっかり使ってしまう心配もありません。
また、未上場企業でも従業員持ち株会制度を導入している場合がありますが、この場合は上場することで一気に莫大な資産になることもあり得ます。
積立感覚で持ち株会に入っていたら、上場することで億単位の資産を手にした、という人もいるほどです。
持ち株会は気軽に売却できないのが難点
とはいえ、持ち株会の場合は気軽に売却しづらいのがデメリットですが、売却しづらいからこそ無駄に使ってしまうことなく貯蓄できるおすすめの貯蓄方法といえます。
また、万が一企業が倒産した場合は、勤務先だけでなく資産も失うことになってしまうので、その点も注意したほうがよいでしょう。
将来的な上場を期待して、資産のほとんどを持ち株会につぎ込んでしまうのはリスクが高いです。また、持ち株会として株主になるため、個人で株主優待はもらうことができません。
関連記事「毎月一定額貯金をするなら銀行の定期積金がおすすめ」
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拠出金額が全額所得控除され、利息などに課税されることも一切ありません。受け取り時にも税制優遇があるので、将来の資産形成に最も効果的な投資方法と言えます。
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