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以前の記事「労働集約型の企業にいる限り給与が上がらない理由」で労働集約型の企業に勤めている人に、今すぐ自身のキャリアプランを見直すことを提案しています。
接客業、飲食業、運送業が労働集約型の産業がサービスを維持するのが難しくなっているため、該当する産業で働いている人へすぐに転職サイトなどに登録することをおすすめしていました。
最近話題になった、中国で無人のコンビニが好調に営業を続けているニュースを見て、いよいよ接客業界にAIによるイノベーションが起こりつつあると感じました。
今後5年から10年で接客業へのAIの導入や無人店舗の導入などが加速度的に進むことが予想されます。まだ大丈夫だろうと多くの方が油断している今のうちでしか、好条件での転職が難しくなる時代がやってきます。
今回は、接客業に未来がなく、今すぐ転職先を探すべき6つの理由についてお知らせします。
現状に不満がある方は、手っ取り早く転職するのも一つの方法です。もし、まだ転職するつもりがなかったとしても、リクナビNEXT に登録しておくだけで、自分の市場価値を知ることができます。
顧客を選ばないと人的コストは上がってしまう
接客業としてみなさんが思い浮かべるものに、コンビニやスーパーの店員、アパレルショップの店員などがあるでしょう。
私はコンビニやスーパー、アパレルではありませんが、小売店の運営を行っていたので、接客業について一般の方より少し知識や経験があると思います。
そんな接客業を営む企業の多くが頭を抱えている問題があります。それが、店員にかかる人的コストが高すぎるということです。
余裕を持った人員配置が不可能な経営状況
最近ではスーパーやアパレルショップでも定休日を設けていないのが普通になっています。さらにコンビニでは24時間営業も行っているので、1つの店舗を運営しようと思ったら、最低でも数人の人員が必要になります。
休日や混雑時の余剰人員なども考えると、やや余裕を持った人員確保が望ましいでしょう。ですが、ほとんどの店舗では1人でも欠けたら店舗の運営が回らなくなるぐらいギリギリの人員で運営しているところがほとんどです。
この理由は、余剰人員を抱えようとすると、途端に店舗の採算が悪化してしまう経営状況にあります。
コストコは時給1,500円すら実現できる!?
一時期、コストコがアルバイトに時給1,200円を提示していることが話題になりました。
実はコストコの時給1,200円はこれでも抑えられている方で、通常なら1,500円程度の時給を提示するようです。小売業に甚大な影響が出るため、各方面から圧力がかかったという噂もあります。
コストコの時給を見ると、コンビニの夜勤ですら割の悪い仕事に思えてしまうでしょう。
本来であれば全ての接客業がコストコのように高い人件費をカバーできるような経営を目指すべきなのですが、悲しいことに日本企業でこれができている会社は0と言っても過言ではないでしょう。
1,200円の時給を提示するぐらいのことが、コストコにできて他の企業にできない理由は1つ考えられます。それは、コストコは顧客を選んだ商売をしていることです。
関連記事「もう日本企業に勤めても幸せになれないかも知れない」
私自身、外資で働くという答えは出しませんでしたが、今の日本企業で働いていても幸せになれないとは強く感じています。結局、フリーランスを選ぶことにしましたが、この選択ができたのも妻が出産後も仕事を続けやすい職種だったことは大きいです。妻には感謝してもしきれません。
今回は、私が職務経験を通じて感じた日本企業への絶望感を紹介します。もう日本企業で働いても幸せにはなれないかもしれません。
コストコの高時給は顧客を厳選しているからこそ
コストコについてあまり知らない方もいると思うので、簡単に紹介しておきます。
コストコは海外版業務スーパー
コストコは業務スーパーの海外版のようなもので、ロットの大きい商品の販売に特化しています。
コストコが業務スーパーと違うところは、店舗(コストコでは「倉庫」)に誰でも入れるようにはなっておらず、会員登録しないと店舗に入ることはもちろん、買い物すらできないことでしょう。
徹底した価格情報管理(ライバル対策)
また、価格情報の管理も徹底していて、電話などで店舗での販売価格を聞くことは一切できません。(会員番号を聞かれる徹底ぶりです)
これは価格情報を競合に知られてしまうことを避けるためのものです。
小売で最も注意すべきは競合他社の値下げです。生鮮食品などの販売なら、まだ商品に違いがあるかもしれませんが、既成品や加工品の販売では値段が全てです。
値下げすればスーパーでもコストコに対応可能だが…
コストコでも大量の仕入れを行い、小分けをせずに大ロットの販売のみにとどめているからこそ、低価格で販売しても利益が出せます。
ですが、やろうと思えば普通のスーパーでもできることでしょう。単に利益を削って値下げをすればいいからです。
ただ、これを行ってしまうと、値下げした分の利益を、値下げしたことによる客数増で賄うことがほぼ不可能であるため、単純に利益を減らしてしまうことになってしまいます。
顧客にとっては一見いいことのようですが、そこで働く人の給料も減ってしまうので、できる店員から辞めていくという負のスパイラルに陥ることもあるのです。
無駄な価格競争をしないコストコの戦略
恐らく、コストコは不毛な消耗戦をしないために価格の秘匿性も高めているのでしょう。
ライバル企業も個人的に会員になればコストコでの買い物もできるはずですが、出店数がそう多くないため、調べるのも一苦労でしょう。対応もリアルタイムで行うのは非常に難しくなるはずです。
コストコが提示する高額の時給はこういった経営戦略をした上でのものです。日本発の小売業で顧客を選ぶという決断ができるほどの企業はまずありません。
全員に良い顔をしたからといって、必ずしも儲かるわけではないのです。
関連記事「仕事なんて所詮は金もうけの手段にすぎないということを忘れてはいけない」
接客対応がAIに代替できるまで技術が進歩している
私は店舗に新人が入った時に研修をすることもあるのですが、接客業の対応は、意外なほどパターンの連続です。
来店した顧客の年齢、性別、スタイル(スーツか私服かなど)、しゃべり方や探している素振りなどから、最適と思われるルーチンにて声かけを行います。
その後の反応からおすすめできる商品を見極め、クロージングをしていくのが店員の仕事になります。
接客は機械的な対応の連続なのでAIでの代替も可能
接客は人間でしかできない業務だと考えている人も多いのですが、パターンからの選択肢や確率の問題なので、簡単にAIなどで代替することが可能です。
横浜市のごみ分別AIである「イーオ」が旦那の捨て方などに回答したことで一時期話題になりました。
これは今はテレフォンセンターなどで行っている電話問い合わせの代替としての機能だと思いますが、基本的な機能は接客業に応用することもできます。
接客業の問い合わせ対応や販売対応はパターン化が可能
接客業での問い合わせ対応や店舗での販売対応は、かなりパターン化することができるので、試行錯誤を繰り返していけば、対話形式のようなテキストのやり取りだけで、会計までクロージングすることもできるでしょう。
AI接客のさきがけとして自動販売機があります。昔は飲料ぐらいしか販売されていませんでしたが、最近では菓子パンだったりお土産だったり、ハンコなどの物品だって自動販売機で売られていることがあります。
自動販売機の「コスパ」は高い
実は、こういった自動販売機の導入費用は月数万円から可能で、アルバイトを1人雇うよりよっぽど「コスパ」がよかったりします。
自動販売機だと予め決められたものしか販売できませんが、AIでの接客などが可能になれば、接客用の機械と販売用の機械を併設して、無人の店舗だって営業できるところまでは技術的に可能なレベルになっています。
そして、この流れは利用者である私たちも望む、望まないに関わらず、確実に導入が進んでいくでしょう。その大きな理由の一つが少子高齢化です。
少子化による人口減で若年層の働き手が足りなくなる
団塊世代の引退が始まり、いよいよ労働力の不足が顕在化しはじめています。今では地方ではコンビニですら24時間営業を維持するのが難しくなっているようです。
それもそのはずで、今までの日本のサービス業を支えていたのは、若年層の比較的労働コストが低い労働者だったからです。
若年層が少なくなれば安い働き手の確保が難しくなる
コンビニ店員やスーパーのレジ打ち、アパレルショップの店員などの多くは女性か学生でしょう。これは接客業が既婚者が一家の大黒柱として十分な稼ぎが得られない職業であることを逆説的に示していると言っていいでしょう。
いよいよコンビニなどの労働集約型の事業を支えている低賃金の労働者が少なくなってきたので、外国人労働者の技能実習の対象にしようとする動きなどもあるようですが、とんでもないことです。
既に少子高齢化の影響が出始めていて、安価な労働力の確保が難しくなっているだけです。
関連記事「【就活生向け】大企業と中小企業で働くメリットとデメリットについて」
日本型のおもてなしはコスパが最悪
さらに残念なことに、接客業で日本型のおもてなしをすることは「コスパ」が非常に悪いことが分かっています。
海外では接客業などではチップを払うことが当たり前なので、いいサービスを提供することの担保としてチップが機能します。
日本にはこの文化がないので、サービスの提供に対する上限がなくなってしまっているというのも接客業の未来が暗いことの原因の1つでしょう。
チップのない日本の接客業では「できる」社員から辞めてしまう
値下げ競争で疲弊しているにも関わらず、接客の善し悪しでも評価されるため、従業員がどんどん疲弊してしまう。この流れが多くの接客業が直面している問題点でしょう。
こうなると、「できる」社員から先にどんどん条件のいい会社に転職してしまうので、よりサービスの質も下がり、競争力も落ちます。
それでいて同等の、いや、今以上のサービスを要求され続けるのですからたまったものではありません。
経営者視点でもAIを導入するメリットが高まってきた
このような状況になってくると、経営者としてもAIの導入を真剣に考えるようになってきます。
なぜなら、AIは導入にあたってのイニシャルコストは高くつきますが、維持運営のランニングコストは人を雇うよりも安くなるからです。
さらに、当然ですが人には休みが必要ですし、疲れているとミスもします。しかし、AIは疲れないですし、休みも必要ありません。
仮に人が対応する半分程度の速度でしか対応できないとしたら、2台導入すればいいだけですから、長期的には安上がりになる可能性も高くなっています。
というより、現時点でAIでの接客にどんどん移行していった方がコスト面での競争力は上がるでしょう。
関連記事「接客業に未来はない!!今すぐ転職先を探すべき6つの理由」
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今後接客業に訪れるイノベーション
今後の接客業、特にスーパーやコンビニなどの単純な接客は、AIで自動化されていくことが予想されます。
先ほども述べていますが、既に技術的にはわざわざ人がやる必要がないことが多くなっているのは事実です。
さらに、顧客の要求度が上がるにつれ、AIを導入する企業側のメリットも高くなってきます。
現時点で人とAIのコストが同等程度だが…
ちょうど今が転換点で、導入にかかる費用と、お得になるコストがどっこいというレベルなのでしょう。
それもあって、導入に二の足を踏んでいる企業が多いと思われますが、逆にこのような状況なら、一旦導入のきっかけがあれば爆発的な速度で普及する可能性も高いと思われます。
そのように情勢がはっきりとしてからキャリアプランを見直していたのでは遅いのです。
遅かれ早かれ、今後接客業は超高級路線か自動化が進むでしょう。
接客は超高級路線かAI技術者への変換を迫られる
なので、接客用のAIを開発するようなキャリアを描くか、逆に超高級路線で人ならではの接客にこだわるか、または全く別の道を探すかのどれかになる公算が高いでしょう。
同じだけの人員を雇用するならAIの導入は不要ですから、多くの人は接客とは全く関係ない職に付かざるを得なくなる可能性が高いです。
元接客業の私が転職を決めたのは3年前
私は現在接客業とは全く違う業種で仕事をしていますが、このページで述べていたことが現実になると危惧して、早急にキャリアプランを見直した結果です。
ちなみに、今後の情勢に気付いてから転職するまでに3年ほどの月日を必要としました。
接客業に勤めている方の多くが、今その見直しをするべき時期にあるでしょう。
関連記事「リクルートエージェントを利用した転職活動の記録(30代・3回目の転職)」
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私が会社員のメリットを十分に理解しながら、最終的には独立という選択肢を採ったのも、仕事と報酬について考えた結果、独立した方が得であると判断したからです。
「会社の大きさ≠収入の多さ」になった
昔は、仕事をするならある程度の規模の組織であることの方が有利でした。
なので、多少損であっても会社員として働いた方が結果として得でした。
ですが、今では組織の大小が必ずしも成果に直結しなくなってきています。
会社組織の運営や、そのあり方について、もう一度よく考えなければいけない時代になっているのかもしれません。
より不確実な社会になった
一生同じ会社で働くつもりの人も、将来独立しようと考えている人も、転職や起業という選択肢を全く無視することはできない時代です。
もしかしたら会社が倒産してしまうかもしれませんし、ある日突然リストラされることになるかもしれません。
どんなにその会社が好きであっても、転職や独立の可能性を視野に入れながら行動するクレバーさが求められています。
自分の給料が適正かどうかを調べる最も簡単な方法として、転職サイトに登録して他の会社からどのようなオファーがあるか見てみるというのがあります。
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このページをご覧の方には「35歳までに2回の転職をおすすめする理由」も参考になります。