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そろそろ来年の就職活動が本格化してくる時期ですね。
私も十数年前になってしまいますが、大卒の就活生として自己分析をしたり、企業研究をしたりと、まだ何も知らない学生なりに一生懸命就職活動をしていたのを覚えています。
さて、就活する前の自己分析がしっかり行えていれば、自分がどのような業界や業種に興味を持っているか、また同時に自分がどのような働き方をしたいと考えていて、どのような人生設計をしているかなどについても大まかに把握できていることでしょう。
今回は、そんな就活を始める方に向けて、大企業の業種による働き方の違いについてお伝えします。
このページをご覧の方には「【就活生向け】大企業と中小企業で働くメリットとデメリットについて」も参考になります。
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兄弟が大企業で活躍しているからこそ分かる業界別の違い
以前の記事で少し言及しているように、私自身は大企業で働いたことが1度もありません。
ですが、私の兄弟に30代半ばで大企業を3社経験しているジョブホッパーがいます。
また、両親は新卒から大企業で働きはじめ、定年を迎えるまで一社の大企業で働き通しました。
なので、私自身に大企業で働いた経験があるわけではないのですが、大企業での働き方について全く知らないわけでもありません。
そして、そんな私が兄弟や両親の働き方を観察して分かったことが、大企業にも業種や会社ごとに労働条件や福利厚生がかなり異なっていることです。
同じ業界でもライバル企業では全く違う運営がされていることも
業種が一緒であれば、比較的似通った労働条件や福利厚生になっていることが多いと考えがちです。
しかし、会社の経営方針や社風によって労働条件や福利厚生など働きやすさに関わる部分はかなり変わってきます。なので、会社が違えば働き方も相当なレベルで違うというのが正直なところです。
結局、どんな企業であっても、個別の会社ごとに「この会社はこうだった」「あの会社はああだった」と、実際に入社してみないと社風が分からないというのが正直な感想です。
優秀な学生は最初の段階で絞り込みできている
ただ、新卒採用に関しては、企業側も社風に合わない学生を採用することのデメリットを重々承知しているので、社風に合わない学生を採用することは基本的にないでしょう。
新卒採用は、基本的に数年は会社で働いてもらわないと一から教育するコストを考えれば割に合わない採用方法とも言えます。
優秀な学生が大量に応募する大企業の場合、魅力的な学生は数回面接すれば絞り込めるというのが本音でしょう。
”社風に合うか”が新卒採用で最も見られている
なので、3次面接や4次面接などの、最終面接に近い面接になってきた場合には、学生同士の実力差はほぼなくなっていて、採用担当者が自社に合うかどうかも含めシビアに見ているはずです。
そのため、大企業に入社できたはいいが全く相性がよくないということは基本的にはないと思います。
もし、社風に全く合わないと感じるのであれば、自分が面接用に作った人格と実際の人格に、あまりにもかけ離れた差があった場合ぐらいでしょう。
それでは、次から業種別の仕事への取り組み方について私の分かる範囲でお答えします。
関連記事「労働集約型の企業にいる限り給与が上がらない理由」
メーカー・素材は計画的な仕事が特徴的
メーカーと言えば、自動車メーカーなどの工業系を思い浮かべる方が多いでしょう。
ただ、食品会社などでも小売を直接やっていない場合は、食品メーカーとして計画的な働き方をする文化が強くあることが多いようです。
また、鉄鋼に代表される素材系の会社も、繁忙期や閑散期など仕事の浮き沈みはもちろんありますが、常に生産ができる体制を整えていたり、計画的に仕事をする文化が強くあるようです。
生産企業が計画性を重視する理由
仕事内容について少し考えれば分かりますが、素材や製造を請け負う会社は、数ヶ月単位や年単位で生産の計画があり、設備投資やライン製造の関係上、生産能力をすぐに増やすことができないようにもなっています。
そのため、生産量は需要予測を基に予め計画数量を決めておく必要があり、需要が急増しても生産量が増やせないことが多々あります。
直近では任天堂スイッチ(Nintendo Switch)が品薄で手に入らないとニュースになりましたが、作れば売れるような状況でも、販売側は急製造ができないようになっているのです。
任天堂スイッチの件では、スマホ(iフォン)との部品の取り合い合戦にもなっているようで、年間で製造できる数はあらかた決まっているのだと思われます。
年単位の計画に則って動く産業にはゆったりした働き方が多い
短くても数ヶ月単位、長ければ年単位での計画を立て、仕事の量に大きな波がくることが比較的少ないのはこういった素材・メーカー系の事業に多く見受けられます。
また、素材・メーカー系の事業を営んでいなくても、顧客販売(BtoC)ではなく、企業販売(BtoB)がメインの取引となる会社には、計画的に仕事を進めることを善しとする文化が強いようです。
マーケティングや需要予測などホワイトカラーの活躍場所も多い
さらに、計画の立案に必要となるマーケティングや需要予測の部隊に強い権限が移譲されることもよくあるそうで、ホワイトカラーの頭脳労働者が多い印象もあります。
現場で働く場合でも、むやみやたらに働くことはほとんどなく、投入した労力に対するリターンを重視する傾向があるようです。
ただ、製造でも下請け、孫請けがメインとなる会社では取引先に振り回されることも多々あるでしょう。
関連記事「ブラック企業を支えているのは利用者ではなく従業員である」
販売・飲食・金融はブラック臭が強め
大企業も様々な業種を営んでいますが、販売・飲食・金融に関わる事業が収益のメインとなっている会社には、ともすればブラック企業となってしまう会社が多い印象があります。
先ほどのメーカーが企業販売(BtoB)を主要な取引としている一方、販売・飲食・金融などの業種では顧客販売(BtoC)がメインの取引となる場合が多く、この違いが働き方の違いや社風となって出ることが考えられます。
顧客販売では現場の臨機応変な対応が不可欠
素材・メーカー系の企業では、計画的と言えば聞こえがいいですが、融通が利かないと言い換えることもできます。
ですが、顧客販売をするような場合、この融通が利かないというのは致命的にもなります。
良く言えばスピード感のある、悪く言えばその場しのぎと捉えられる働き方をすることが多く、労働環境が苛酷になりやすい面もあります。
顧客販売を行う企業は労働集約型の働き方になりがちです。個人的には今後伸び代が少ない業界になっていくと見ているので、私はやや否定的に見ています。
多角的な経営をしている企業は生い立ちを見ると強みが分かる
大企業になると様々な事業を行っている場合もあります。
こういったどの業種として見ればいいか迷ってしまう場合は、その会社が元々はどの事業からスタートしていたかを見ると、最も効果的に社風を推測することができます。
素材・メーカー系から始まっている場合は計画的な働き方を是とする会社が多く、私も就職や転職する企業としてもおすすめできます。
企業販売か顧客販売かで変わる社風
ですが、小売や販売から始まっている会社や金融を主要事業とする企業のグループ会社では、業務内容が企業販売(BtoB)でもやり方が顧客販売(BtoC)になっていることもあり、労働環境がブラック化しやすい側面があります。
ちょうど私の兄弟が最初の転職でこの手の企業にあたってしまったようです。
金融系を基礎とする企業のマーケティング部門に転職したところ、業務への取り組み方がモーレツ体育会系だったため肌に合わず、3年程度で再度メーカー・研究を基礎とする会社に転職することになりました。
初めての転職は失敗しやすい
以前の記事「35歳までに2回の転職をおすすめする理由」でも述べていますが、初めて転職する時には今の会社のいいところがあっても客観的に評価できなくなっている場合が多くあります。
なので、1度目の転職先が理想の職場となることは少なく、2回目以降の職場に落ち着くケースが多く見られます。私の兄弟もそうですし、私も同様の経験をしています。
報酬のみを求めると激務で体を壊すことも
新入社員の頃から高い報酬を提示する企業もありますた、同時に激務であることが多く、ともすれば体を壊してしまうことにもなりかねません。
最近でも電通の新入社員が過労で自殺してしまう事件がありました。
報酬が高いことだけを考えて就職してしまうと、あまりにも理想と現実のギャップが開き過ぎていて、メンタルをやられてしまうこともあるので注意が必要です。
一部上場企業にも多い高給だけど激務な会社
「20代で家が建ち、30代で墓が建つ」という縁起でもない格言と高い報酬で有名なキーエンス。
新卒社員に高い人気を誇るコンサルティング業界(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、A.T.カーニーなど)
こういった企業では、魅力的な高い報酬だけでなく、働き方や業務内容についてもよく知っておくべきなのかもしれません。
やりがい以外に働く理由のない職業よりはましだけど…
もちろん、教師などのように、やりがい以外に就労する理由が見つからないような職業とは違い。
しっかりした報酬に裏打ちされた激務ではあるので、向上心の高い方にはむしろおすすめの職場になるかもしれません。
ただ、人生は仕事だけのためにあるものではありません。時には仕事が辛い・つまらないと感じるようになった時に見直した方がいい人生の目的について考えてみるのもいいでしょう。
関連記事「貯金は半年分の生活費(約100万)は持っておいた方がいい」
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私が会社員のメリットを十分に理解しながら、最終的には独立という選択肢を採ったのも、仕事と報酬について考えた結果、独立した方が得であると判断したからです。
「会社の大きさ≠収入の多さ」になった
昔は、仕事をするならある程度の規模の組織であることの方が有利でした。
なので、多少損であっても会社員として働いた方が結果として得でした。
ですが、今では組織の大小が必ずしも成果に直結しなくなってきています。
会社組織の運営や、そのあり方について、もう一度よく考えなければいけない時代になっているのかもしれません。
より不確実な社会になった
一生同じ会社で働くつもりの人も、将来独立しようと考えている人も、転職や起業という選択肢を全く無視することはできない時代です。
もしかしたら会社が倒産してしまうかもしれませんし、ある日突然リストラされることになるかもしれません。
どんなにその会社が好きであっても、転職や独立の可能性を視野に入れながら行動するクレバーさが求められています。
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この記事をご覧の方には「仕事なんて所詮は金もうけの手段にすぎないということを忘れてはいけない」も参考になります。