クラシックピアノで使われる反復記号は、せいぜい1番カッコ・2番カッコや繰り返しの記号程度で、D.C.(ダ・カーポ)やD.S.(ダル・セーニョ)ですら珍しい演奏記号となるでしょう。
クラシック音楽でもフレーズの繰り返しは多用されていますが、全く同じ弾き方を避ける傾向にあるようで、1回目と2回目では同じフレーズでも、アレンジが異なる楽譜が多いです。
一方、ポップスなどのピアノアレンジでは、Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒Aメロ…という繰り返しの流れになることが多いので、楽譜内でも反復記号が多用される傾向にあります。
クラシックピアノの楽譜に慣れている方ほど、楽譜の端々を行ったり来たりするポップスの楽譜に、弾きづらさを覚えるかもしれません。
ここでは反復記号記号について説明します。
演奏記号には他にも、速度記号や強弱記号、装飾記号、発想記号があります。
この記事をご覧の方には「【音楽の基礎知識】演奏記号をはじめとした楽譜の読み方や楽器演奏の補助となる知識一覧」も参考になります。
反復記号について
反復記号について覚えなければならないことはさほど多くありません。
冒頭または再開の記号から繰り返す記号、1番カッコ・2番カッコ、D.C.やD.S.、セーニョとコーダです。FineやF.O.のような記号もありますが、フィーリングで判断して構わないレベルでしょう。
反復記号一覧
表記 | 読み | 意味 | 備考 |
---|---|---|---|
反復開始 | 反復終了記号からここに戻る。 曲頭では普通省略される。 |
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反復 | 直前の反復開始記号か曲頭に戻る。 基本は1回だけ戻って反復する。 |
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1番カッコ 2番カッコ |
1回目のみここを演奏する。 2回目のみここを演奏する。 |
3番、4番カッコ などもある。 |
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da capo (D. C.) |
ダ・カーポ | 最初から。 曲頭に戻る。 |
D. C.やD. S.のあとでは 反復は省略される。 |
dal segno (D. S.) |
ダル・セーニョ | セーニョから。 セーニョに戻る。 |
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セーニョ | 「記号」の意味。 ダルセーニョからここに戻る。 |
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ヴィーデ | 一般には D. C. するか D. S. したあとで 結尾(コーダ)に飛ぶ |
ポピュラー音楽などでは コーダマークと呼ばれる |
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Fine | フィーネ | 終わり | かわりにフェルマータを 書くこともある |
F.O. | フェードアウト | だんだん小さくして終わる |
画像はWikipedia-演奏記号より
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反復記号の使用例と小節を演奏する順番
反復記号を一つずつ説明しても、楽譜の小節をどの順番で演奏すればいいかは分かり難いでしょう。
なので、反復記号をなるべく多く取り入れた楽譜例で実際に正確に理解できているか確かめておくのもいいと思います。
反復記号はクラシックの楽譜より、ポップスのピアノアレンジの楽譜にて多用される傾向にあります。ポップス曲に挑戦する方は、一度目を通しておくといいでしょう。
反復記号の楽譜内での使用例(D.C.使用例)
D.C.(ダ・カーポ)とD.S.(ダル・セーニョ)は両立しないので、まずはD.C.の使用した楽譜例を紹介します。
1番カッコは繰り返しの際演奏せずに2番カッコまで飛ばします。その後D.C.まで演奏したら始めに戻ります。コーダマークの手前にある小節まで演奏したら、次のコーダマークまで飛ばします。
①~⑳までの順番が分かれば、大抵の楽譜で演奏する順番が分かるでしょう。
反復記号の楽譜内での使用例2
次はD.S.(ダル・セーニョ)の使用です。
1番カッコを反復時に演奏しないのは同じで、2番カッコから最後まで演奏したらセーニョ記号まで戻ります。その後コーダマークの手前まで演奏したら、次のコーダマークまで飛ばします。
①~⑳までの順番が分かれば、大抵の楽譜で演奏する順番が分かるでしょう。
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