ブラック企業や労働問題が取りざたされることも多くなっていますが、ブラック企業を撲滅する最も簡単で確実な方法があります。
それは、ブラック企業の従業員が全員転職してしまうことです。
冷静に考えれば、ブラック企業が存続できてしまうのは利用者がいることよりむしろ、ブラック企業で働いている従業員がいるからです。
一時期問題となっていた、ゼンショーホールディングスが運営するすき家でのワンオペ問題では、アルバイトが集まらず店舗が運営できない事態に陥りました。
このように、ブラック企業の労働環境が問題であるなら、社員がボイコットしてしまえば利用者のいるいないに関わらず、事業が立ち行かなくなるはずです。
みなさんお気づきの通り、ブラック企業を支えているのは利用者ではなく、そこで働く従業員なのです。彼らは被害者である一方で加害者でもあります。
こんな現象が起こってしまうのも、労働市場の固定化が原因となっています。
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特に外食産業を利用する方の一部に、原価厨と呼ばれることもある、やたら材料費などの原価合計を異様に気にする方もいます。
しかし、当然ながら企業が提供するサービスは原価以上の価格で設定されることは当然であり、利益を減らして値下げをしたところで、そのサービスを提供する従業員の質が落ちるだけです。
飲食店がブラック化しやすいのは、安く良質なサービスを提供してほしいと考える客も原因です。
しかし、ここで注意しておきたいのは、従業員に対して過度な負荷をかけることにより、そのサービスを維持しているのはあくまで会社だという点です。
単純な話、従業員が辞めてしまえばサービスが提供できなくなるので、利用者がいるかどうかは関係ありません。
企業がブラック化してしまうのは、ある意味仕方がない部分もありますが、どちらかと言えばそんな状況になっても辞めない従業員にかなり問題があると言えます。
彼ら彼女らが辞めない限り、そのサービスは提供され続けます。
そうなると、まっとうな賃金を払っている企業ほど不利になってしまう逆転現象も発生します。
これでは悪貨が良貨を駆逐することになってしまい、業界全体の収益性が下がってしまいます。ブラック企業は業界の健全化にも邪魔な存在なのです。
参考資料:グレシャムの法則 – Wikipedia
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ブラック企業は労働市場が固定化すればするほど喜びます。
なぜなら、ブラック企業の経営者にとっては、転職が難しく厳しいものと思われていた方が都合がいいからです。
転職が一般的でない社会だと、よっぽどの理由がない限り中途採用はあり得ません。
日本では未だに新卒一括採用が採用活動の主体とされていますから、基本的に中途採用の需要が出てきにくい状況にあります。
転職が一般的でない社会では、転職することが悪いことのように捉えられることもあります。
このような価値観は年配の方ほど強く持っています。今50代~60代ぐらいの方にありがちな考えです。
このような価値観を持っている方が上層部に多いだけでも大変です。若いうちの苦労は買ってでもしろとか、従業員が理不尽な要求をされるのが当然と考えている人すらいます。
ただ、今の比較的若年層は終身雇用が保障されていないことなんて分かっていますし、名采配ができるわけでもない上司を尊敬することもありません。
ひどい時には仕事の実力も大したことがないのに給与は倍ほど違うなんてこともあります。
ただ、労働市場が固定化してしまっていると、気軽に転職することができず、一部の勇気も実力もある人しか転職をしません。
そのような状況はブラック企業であればあるほど喜ぶような状況なのです。
関連記事「気軽に転職できる社会になることが結果として全体の給与を適正化する」
実際、転職市場は多分に景気に左右される傾向にあります。
また、中途採用は前任者が退職または転職したために空きが出て、そのために募集されるという動機が強いものです。
なので、景気が悪くなれば悪くなるほど転職市場は冷え込みます。
そうなればブラック企業は今までより労働環境を厳しくすることになります。
転職が容易でない景気状況の場合、それでも従業員はなかなか辞める決断ができません。
辞めても就職先があるかどうか分からないからです。
さらに、ブラック企業の経営者は従業員の余暇を奪うように動きます。
そうなると、従業員はもっと条件のいいところに転職したいと考えても、肝心の転職活動をする時間がなくなってしまうのです。
こうやってブラック企業の従業員は身心を徐々に疲弊し、最終的には会社を退社するという簡単なことすら判断できない状況まで追い込まれてしまうのです。
こういう状況には真面目で優秀な人ほど取りこまれやすいので注意が必要です。
まだ大丈夫なうちに次の手を打っていくようなしたたかさも時には必要になります。
新進気鋭のベンチャー企業も労働環境はブラックになりやすいので、就職や転職の際には注意が必要です。
ベンチャー企業は既存の企業では提供されていないサービスや価値観のために働く集団です。
ストックオプションなどで当たれば大きな報酬が得られることもありますが、そのまま泣かず飛ばずで潰れてしまうという危険もあります。
その割に給与などの労働条件はいいことが少ない、むしろやや悪い場合が多いのが実情です。
それでも、どの企業も提供していないサービスの開発や提供に関われることが、やりがいとなって従業員を惹きつけるということも往々にしてあります。
実際に世の中に新しい価値を提供しようと頑張っているベンチャー企業なら、労働環境がやや悪い程度であれば問題はないと思います。
しかし、実態は既存の企業の焼き直しであるのに、あたかもベンチャー企業であるかのように振る舞うブラック企業には注意が必要です。
このようなブラック企業の経営者は頻繁にやりがいや夢、価値、活力などのキラキラしたキーワードを好んで使います。
しかし、問題は本当にそう思っている場合が少なく、あくまでも従業員を惹きつけ縛りつけるためだけに言葉を発していることです。
経営者に人間的魅力があるばかりに、ブラック企業で働いてしっていることに気付かないということもよくあるので、十分に注意しておきたいところです。
結局のところ、会社なんてたくさんあるし、仕事なんてどこにでもあるという心構えで過ごすことが大事です。
もっと言えば、引っ越したら職場が遠くなってしまうから転職するぐらいの理由で転職することが普通の世の中になることが理想です。
そのぐらい転職が身近になれば、ブラック企業が蔓延ることも少なくなるでしょう。
関連記事「労働集約型の企業にいる限り給与が上がらない理由」
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私が会社員のメリットを十分に理解しながら、最終的には独立という選択肢を採ったのも、仕事と報酬について考えた結果、独立した方が得であると判断したからです。
昔は、仕事をするならある程度の規模の組織であることの方が有利でした。
なので、多少損であっても会社員として働いた方が結果として得でした。
ですが、今では組織の大小が必ずしも成果に直結しなくなってきています。
会社組織の運営や、そのあり方について、もう一度よく考えなければいけない時代になっているのかもしれません。
一生同じ会社で働くつもりの人も、将来独立しようと考えている人も、転職や起業という選択肢を全く無視することはできない時代です。
もしかしたら会社が倒産してしまうかもしれませんし、ある日突然リストラされることになるかもしれません。
どんなにその会社が好きであっても、転職や独立の可能性を視野に入れながら行動するクレバーさが求められています。
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この記事をご覧の方には「仕事なんて所詮は金もうけの手段にすぎないということを忘れてはいけない」も参考になります。
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