日大の危険タックル問題が話題になったのは、記憶に新しいと思います。
この問題を通して、組織・企業の隠ぺい体質が根深いことや、日本の上層部がいかに責任を取らないかを客観的に知るいい機会になったと思います。
逆に、実行犯である選手は記者会見を開き、真摯に情報公開し世論も味方にしています。現時点では、日大の組織的犯行であることはほぼ確実となっています。
私も一国民としてこの問題を注視していましたが、大企業のコンプライアンス違反とそっくりなことに気付きました。
危険タックルは許されることではありませんが、誰にでも起こり得る問題です。
特に、会社員のみなさんにはいつでも起こり得るものと認識しておいた方がいいでしょう。
当該選手は大学間の移籍できさえすればこの問題は起こらなかったでしょう。会社員であれば転職です。
選択肢を広く取るだけで、こういった問題に巻き込まれる可能性を大きく下げることができます。
今回は日大タックル問題を例にしながら、経済合理的行動を取るためにどんな心がけが必要かをお伝えします。
この記事をご覧の方には「仕事なんて所詮は金もうけの手段にすぎないということを忘れてはいけない」も参考になります。
経済合理的行動=損得勘定です。少し砕けた言い方をすればコスパになるでしょう。
損得勘定は人間の基本行動原理です。戦争ですら損得勘定によって起こります。
意外かもしれませんが、日常目にする問題の多くは、この損得勘定から外れた行動を取ったことが原因になっているのです。
日大タックル問題の当該選手は、日本代表選手になるほどの実力でした。会社員ならエース社員になるでしょう。
ただ、組織人として、当該選手はかなり弱い立場にありました。
これらが当該選手の選択肢を狭め、危険タックルを行うことが経済合理的行動となってしまったのです。
当該選手が記者会見で名言していますが、日大の監督は当該選手を日本代表の練習に参加させないようにしていました。
スポーツ推薦で大学に入ったのに、試合に出られない、日本代表の練習にも出られないとあれば、当該選手がどれほど追いつめられていたのかは想像に難くありません。
会社員であれば、マイホームを購入した途端、転勤辞令が出されるようなものです。
参考記事「危険タックルの日大アメフト選手「1プレー目で潰せば出してやる、と言われた」(陳述書全文)」
当該選手は十中八九スポーツ推薦で日大に入学しています。
スポーツ推薦はセレクションとも呼ばれ、該当のスポーツで活躍することを条件に入学試験を免除されるものです。なので、部活を辞めることはイコール退学となります。
大学を辞めることは就職にも影響します。
当該選手は20歳だったので大学2年生と思われます。
この時点で就職先のあてもないまま大学中退するのが、どれほどリスクの高い行為だったかは分かると思います。
結果として、反則行為をすることが最も当該選手にとっての経済合理的行動となってしまったのです。
選手がプロのように大学間を自由に移籍できれば問題は起こらなかったでしょう。
ただ、スポーツ推薦という建前がある以上、大学間の移籍は現実的には難しいと思われます。
会社員なら一切転職しないことを条件に入社するようなものです。
情報公開をどれだけ徹底したところで、組織は入ってみないと分からないのが現実です。
しかも、入ってみてダメだと分かっても、移籍もできないのは選手に非常に不利な制度でもあるでしょう。
終身雇用を前提とした新卒一括採用でも同じような問題が起こりやすくなっています。
採用側は「騙してでも入社させてしまえばいい」と考えがちです。
あまりにも新卒採用した学生が定着しないため、最近ではインターンなどを通じて会社の雰囲気を掴んでもらおうとしているのです。
関連記事「現時点では崩壊している終身雇用制度のメリットとデメリットについて」
20年~30年ほど前、終身雇用がしっかりと守られていた頃は、転職活動をしないのは合理的な行動でした。
従業員としては、職がなくなる不安を全く考えることなく、業務に邁進するだけでよかったからです。
しかも、能力に関係なく、勤続年数で評価されるため、会社のために働くだけで収入は上がっていきました。
一時期は日本経済が大盛況となり、海外で終身雇用制が賞賛されることもあったのです。
今では、10年後はもちろん、3年後、5年後ですら会社がどうなっているのか予想するのは困難です。
また、事業内容に問題がなくても、不祥事で一気に企業価値が低下する事態も考えられます。
終身雇用制度の維持が不可能であることが明らかな現代において、1つの企業に勤め続けるのはリスクが高いと言えるでしょう。
転職が自由にできる社会ではありますが、新卒一括採用を行う就職活動の現状では、やや転職し辛い環境であるのも事実です。
ただ、「転職し辛い≠転職できない」です。
最初から転職の選択肢を考えないと、日大選手のように追いつめられた時の逃げ道がなくなってしまいます。
また、コンプライアンス違反などを企業が強制する場合、実行犯は適当に選ばれるわけではありません。
日大の危険タックル問題でもそうでしたが、大人しく真面目なタイプがターゲットにされやすくなります。
泣き寝入りしてくれそうな相手を選んで不正は行われるのです。
関連記事「ブラック企業を支えているのは利用者ではなく従業員である」
通常でも約1年、インターンを利用してそれ以上の時間をかけることもある新卒採用と違い、中途採用は3ヶ月以内に働ける人材を募集しています。
依頼主である企業も、空いてしまったポストを埋めるのが優先なので、悠長に時間をかける余裕はないのです。
エージェントから年収を上げる転職は難しいと最初に言われました。
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関連記事「リクルートエージェントを利用した転職活動の記録(30代・3回目の転職)」
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昔は、仕事をするならある程度の規模の組織であることの方が有利でした。
なので、多少損であっても会社員として働いた方が結果として得でした。
ですが、今では組織の大小が必ずしも成果に直結しなくなってきています。
会社組織の運営や、そのあり方について、もう一度よく考えなければいけない時代になっているのかもしれません。
一生同じ会社で働くつもりの人も、将来独立しようと考えている人も、転職や起業という選択肢を全く無視することはできない時代です。
もしかしたら会社が倒産してしまうかもしれませんし、ある日突然リストラされることになるかもしれません。
どんなにその会社が好きであっても、転職や独立の可能性を視野に入れながら行動するクレバーさが求められています。
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このページをご覧の方には「35歳までに2回の転職をおすすめする理由」も参考になります。
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