ここ最近、妻が妊娠したのをきっかけに、子育てに関係する書籍を読み漁っていました。
様々な書籍が子育ての重要性やハウツーを述べている中、一つの書籍が目に入りました。
現代の親が疲弊してしまう大きな原因は「子育て神話」にあります。
以前の記事「子どもの将来は子育てでは決まらない!?悩みを解消する知識」でも言及したように、子育ては万能ではなく、子どもは元々持った才能を育みはしても、親の望む通りに育てるのは不可能です。
今回は、子育ての重要なポイント、子どもの社会化について、前回のおさらいを踏まえ、親が子どもの仲間にどの程度関わっていくべきかについてお伝えします。
この記事をご覧の方には「妊活をすると分かる流産の可能性の高さ|夫ができる心構えは?」も参考になります。
子どもが大人の行動を真似て育つ、とよく言われますが、実はこの考え方は完全な間違いです。
なぜなら、子どもが家庭や学校で真っ先に学ぶのは、大人と同じように行動してはいけないことだからです。
始めは、大人の真似をする子どもも多くいるでしょう。
しかし、幼い子どもは大人と同じように一人で出かけることはできません。
大人が使っている包丁や火に近づいただけで怒られます。
そして、車の運転をすることだってできません。
子どもが最初に学ぶのは、大人と子どもは違うということだけです。
日本に暮らす日本人同士の子どもであれば、親と同じような文化を形成します。
日本で暮らすのに英語を母国語にすることはまずないでしょうし、文化についても、親と全く一緒ではなくても、かなり似通ったものを持つようになるでしょう。
このことから、親から子へ文化が受け継がれていくと勘違いしてしまうケースが多くなります。
ですが、子どもたちは社会の大人ではなく社会の子どもを模倣することが明らかになっています。
これは、移民の子どもがネイティブと同様の言語を身につけることからもはっきりしています。
囚人の目標が立派な看守になることではないのと同じように、子どもたちの目標は立派な子どもになることなのです。
子どもは、赤ちゃんの頃から、大人と子どもが違うことをはっきり理解しています。
赤ちゃんが母親や父親以外に抱かれると、すぐに泣きだしてしまいます。
幼児も見知らぬ大人にはかなり警戒心を強く抱きます。
ですが、同じ年ごろの子ども同士であれば、大して警戒もせずに近づいていきますし、積極的に関わろうとします。
基本的に、子どもは少し年上の子どもによりよく懐きます。
たとえ自身の扱いが正当なものではなくても、大人と一緒にいるより子どもと一緒にいることを望むのです。
そして、子どもは親からではなく、子どもの遊び仲間同士から多くの文化を学習します。
高校生などが、世代によって使う言葉が違ったりするのは、彼ら彼女ら同士がお互いに影響し合うからです。
大体、5年~10年程度で一世代となるので、世代が外れると話が通じないことがあるのもこのためです。
親は住む地域を選ぶことによって、子どもたちが犯罪を起こしたり、学校を中退したり、麻薬に手を出したり、妊娠したりする可能性を高めることも低減させることができます。
一言でいえば、家賃の安い地域は治安が悪くなりやすいです。
治安の悪い地域に住む子どもたちは、治安の良い地域に住む子どもたちに比べて、法を犯したり、学校を中退したり、麻薬に手を出したり、妊娠したりする確率が高くなります。
ですが、治安の悪い地域に住む子どもが、治安の良い地域に引っ越しただけで、素行不良が解消されるケースは多々あります。
教育において、親が子どもにできることはほとんどありませんが、住む場所を選ぶという点においては、親が子どもの成長をかなりの割合で決めることになるでしょう。
子どもは同世代の仲間の影響を強く受けて成長します。
ただ、仲間との関係性が安定していないと、子どもの人格形成に悪影響を与える可能性も高まってしまいます。
頻繁な転居が代表的な例ですが、子ども同士の関係が安定しないと、子どもの集団内での地位が低くなりがちで、自信や自尊心の低い子として成長してしまう可能性が高まります。
ただ、集団内での地位が低い状態で固定されてしまっている場合は、転居も一つの選択肢です。いじめの解決方法は「その集団からの脱却」以外にありません。
子どもが成長するために、必ずしも仲間集団から歓迎される必要はありませんが、子ども時代に集団内での地位が低かった子は、大人になってからも自信や自尊心が低い大人に成長することも分かっています。
大人になってから豊かな生活をする人物の多くが、子ども時代に集団内での地位が高かったことも分かっています。
親の教育が子ども正確に影響することはほとんどありません。
最近の研究で、子ども性格がほとんど遺伝により決まることが明らかになっています。
ひと昔前は、性格は遺伝50%・環境50%で決まるとされていましたが、環境のほとんどが遺伝に影響を受けるもの(遺伝子作用による作用)というのも分かってきたからです。
例えば、美男・美女は周りの人から親切にされるので、性格的に人を信頼しやすくなるでしょう。
愛嬌がある人なら、子どもたちの間で人気者になり、コミュニケーション能力がより発達するかもしれません。
気難しい子であれば、仲間からは敬遠され、より気難しい性格になることもあるでしょう。
卵が先か鶏が先かといった問題に近いものですが、子どもたちの遺伝による違いが、子どもたちへの環境を誘発していることがほとんどなのです。
心理学者や発達行動学者が、膨大なデータを調べた結果、両親の離婚は子どもの成長とほとんど無関係であることでした。
両親が離婚を経験している場合、子どもたちが将来離婚する確率は高くなります。
ですが、これは元々離婚しやすい気質が子どもに遺伝していることがほぼ確実なのです。
その証拠に、親と死別した子どもは、両親が健在な子どもと比べても、性格に目立った違いが見られないのです。
両親が離婚したから難しい性格に育ったのではなく、難しい性格の両親が離婚して、子どもがその遺伝子を継承しているだけなのです。
「三つ子の魂百まで」という諺があります。
これは最新の研究でほぼ正しいことが証明されています。
子どもが本来生まれ持った気質というのは、教育や環境により変化することはありません。
より望ましい対応を学習して身につけるだけなのです。
元々神経質な子であれば、神経質な気質が友人関係に影響しないよう、取り繕うことを学習することもあるでしょう。しかし、神経質さがなくなるわけではありません。
親は子どもの仲間選びにどれだけ関われるのでしょう。
できることはあまり多くはありませんが、いくつか子ども以上に親の影響が強くなるものもあります。
親にできることは、子どもがよりよく成長できるような環境を用意することでしょう。
中学受験で私立に行かせようとする親が多いのも、子ども同士の関係が成長に大きく影響することを知っているからです。
学習が推奨されるような環境にいれば、自然とよく学ぶ子どもに育ちます。
運動が推奨されるような環境にいれば、自然とよく動く子どもに育ちます。
親ができることは、子どもに対して選択肢を提示し、より子どものためになる環境に子どもを送り出すことでしょう。
これさえできれば、他には特に何もしなくても子どもはすくすくと成長します。
子どもの外見を整えるために力を尽くせるのは親の影響が大きくなるでしょう。
外見を整えたり、服を無難にしたり、歯並びを矯正したり、外見がよい方が友人たちから好ましい扱いを受ける可能性が高まる以上、外見を整えることは重要です。
また、名付けも重要になります。変な名前であれば、それだけでからかいの対象になりますから、一般的で無難な名付けを行うのも重要です。
これから親になる者として、様々な教育に関する書籍を読み漁った結果、分かったのは、親は親として子育てを楽しむべきということでした。
人間だって動物ですし、本能にかなり影響を受けています。
思春期に子作りに興味を持ったり、子作りそのものが快感を伴うものだったりするのも、私たちがそういう風に作られているというだけです。
世代を繋げるために、私たちは子育てを楽しめるものとして作られているはずです。
「教育により子どもの将来が決まる」なんて考えず、ただただ子どもの成長を一緒に楽しむことが大切なのだと、今は強く思うようになりました。
なぜなら、教育にできることなどほとんどないのですから
この記事をご覧の方には「妊活・妊娠中に避けた方がいい薬と服用しても大丈夫な薬について」も参考になります。
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