以前の記事「個別株に投資するならリスク分散に5銘柄以上の購入を推奨します」で登場した取締役に、おすすめされていた金融商品がもう1つありました。
それがブラジル銀行を利用したレアル建て外貨預金です。
株式投資で失敗した後に挑戦したのですが、ものの見事に失敗しました。
と言っても、損失額はそれほど大きくなく、単に別の商品に投資する機会を失っただけで終わっています。
今回は、私がレアル建て外貨預金で失敗した話を基に、外貨の定期預金についてお伝えします。
この記事をご覧の方には「毎月一定の金額を貯金している方におすすめの投資信託|インデックスファンドの投資≒貯金!?」も参考になります。
件の取締役の方からレアル建て外貨預金の紹介をされた時、取締役の方は付き合いから仕方なくという雰囲気を出していました。
他にも、利息が5%近くとかなり高いことや、仕方ないから50万円ぐらい入れておいた、という話から、自分でも挑戦してみる価値のある投資ではないかと考えやってみることにしたのです。
株式投資で失敗した私は、その時の残りの資金にちょっと足した10万円で外貨預金に挑戦することにしました。しかし、そこには大きな誤算がありました。
レアル建て外貨預金はブラジル銀行で行ったのですが、その銀行は1,000米ドル相当以上の金額を預け入れないと口座維持手数料が毎月100円ほどかかってしまうのです。
さらに、年利が4.5%から利用できるレアル建ての定期預金は、2,000レアルからの利用となっていました。
当時のレアルの為替相場は50円ぐらいで、10万円の資金では銀行の手数料を払うと条件を満たす金額に微妙に足りないという何とも悩ましい金額だったのです。
結果普通預金で約1年間の預入期間となりましたが、結果95,000円ぐらいの金額となって終わりました。結果論ですが完全に機会ロスです。改めて思い出すと何ともマヌケな話です。
私の失敗談はこのぐらいにして、外貨預金で利用したブラジル銀行と、外貨預金の特徴についてお伝えします。
ブラジル銀行の営業窓口は、五反田(東京)、浜松(静岡)、名古屋(愛知)の3都県にあります。
東京以外にある窓口が静岡と愛知なのは、ブラジル人の居住比率によるものでしょうか。静岡に支店があって、大阪に支店がないことから、何かしらの理由がありそうです。
愛知はトヨタ、静岡はスズキやヤマハといった自動車関係の工場が多いので、ブラジル人が多く出稼ぎに来ているのでしょう。
浜松や名古屋は何度か訪れたことがありますが、比較的外国人の比率が高いように感じたことを覚えています。恐らくこの予想で当たっていると思います。
参考資料:一般社団法人 日本自動車工業会-日本の自動車工場分布図
レアル建て外貨預金は、日本円しか持っていなくても可能です。ブラジル銀行の窓口でレアルに両替をしてもらい、そのまま口座に入金することができます。
両替した後は普通の銀行と同じような形になります。
ブラジル銀行にはインターネットバンキングもあり、営業窓口に行くのは入金や出金をする時だけになります。
ブラジル銀行と言えど、さすがに日本の窓口になるので、日本語に対応できるスタッフが常駐しています。
ブラジル銀行の内装は、日本の銀行に比べてセキュリティーを高めに設定した作りになっていました。銃社会を母国とする方々はセキュリティーに対する意識が違うようですね。
ブラジル銀行のレアル建て外貨預金の利息は下記の通りです。
預金額 | 普通預金 | 定期預金 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 18ヶ月 | 24ヶ月 | 36ヶ月 | 60ヶ月 | ||
2千レアル未満 | 0.05% | – | – | – | – | – | – | – |
2千レアル以上 10万レアル未満 | 0.05% | 4.50% | 5.00% | 5.50% | 5.50% | 5.80% | 5.80% | 5.80% |
10万レアル以上 30万レアル未満 | 0.05% | 4.60% | 5.10% | 5.60% | 5.60% | 5.90% | 5.90% | 5.90% |
30万レアル以上 | 0.05% | 4.70% | 5.20% | 5.70% | 5.70% | 6.00% | 6.00% | 6.00% |
ブラジル銀行-金利一覧表より
驚くのは金利の高さでしょう。
2,000レアル以上(≒64,000円:2018年2月18日現在)の定期預金で4.5%からという驚異の利息です。
30万レアル以上(≒960万円:2018年2月18日現在)の定期預金なら、24ヶ月以上の契約で年利6%にもなります。
利息だけ見るとかなり条件のいい取引であることが分かるでしょう。
ですが、外貨預金で考慮すべきことは年利だけではないのです。
私がレアル建て外貨預金を行っていたころのレアルは50円ぐらいだったのですが、2018年2月18日現在では32.8円です。
7~8年前の相場とは言え、定期預金を繰り返し持ち続けていたら、ほぼ確実に資産価値が目減りしていたことでしょう。
外貨預金は金利以上に為替相場の影響を受けるものなのです。
レアル建定期預金だけでなく、外貨には日本円と違って為替変動のリスクがあります。参考までに、過去10年間の米ドル、ユーロ、レアルそれぞれの変動幅について確認してみましょう。
過去10年間で80円~120円ぐらいの為替相場となっています。
過去10年間で100円~170円ぐらいの為替相場となっています。
過去10年間で30円~70円ぐらいの為替相場となっています。
10年という長期的なスパンで為替相場を見ると、外貨の為替リスクがかなり大きいことが分かります。
試しにブラジル銀行のレアル建ての外貨定期預金で、金利と為替変動のリスクを合算して考えてみます。
2018年2月18日現在のレアルは約32円、2,000レアル以上の定期預金6ヶ月以上で利息5%になります。
仮に100万円のレアルを定期預金で預けた場合はどうなるか計算してみましょう。
計算を簡略化するため、1レアル32円、年利5%、往復の両替手数料は0円とします。
100万円=31,250レアル
31,250レアル×1.05(5%)≒32,812
32,812レアル≒1,049,984円
往復の両替手数料を考えていませんが、5%の利息で約5万円プラスになりました。
100万円=31,250レアル
31,250レアル×1.05(5%)≒32,812
32,812レアル≒885,924円
資産価値が11.4%もマイナスになってしまいました。
レアル相場32円→37円(+5円)
100万円=31,250レアル
31,250レアル×1.05(5%)≒32,812
32,812レアル≒1,214,044円
資産価値が21.4%もプラスになりました。
計算で明らかになったように、外貨預金は銀行の利息より為替変動のリスクの方が大きくなります。
比較的安定している米ドルやユーロですら10年単位で見ると変動幅が大きくなっています。
新興国のブラジルではより価格変動リスクが大きなものとなるでしょう。
リスクが大きいということは大きく利益を上げる可能性も高くなることにもなります。
ですが、為替変動で差益を取るならFXに挑戦した方がいいような気がします。
銀行とはいっても企業ですので、経営不振になれば破綻することもあり得ます。ですが、ブラジル銀行に限ってはその可能性は低いでしょう。
ブラジル銀行はほぼ国営の銀行組織です。ブラジルの政情が不安定になることも考えられますが、銀行が経営破綻する可能性は限りなく低いと言えるでしょう。
今まで様々な貯蓄、投資方法を試してきましたが、最も自分に合う投資方法はインデックスファンドを利用したほったらかし投資法でした。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、日本の株式と債券に1/4ずつ、海外の株式と債券に1/4ずつ投資するファンドです。
株式価格が上がると債券価格が下がり、債券価格が上がると株式価格が下がる傾向にあるので、日本と世界が好景気であっても不景気であっても、世界経済が毎年数%の成長をする限り、年利も数%になるという商品です。
リスクを極限まで減らしつつ、銀行の預金金利よりはるかに高いリターンが期待できる商品設計が気にっています。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、申し込みから実際の引き落としまでは2ヶ月ほど時間がかかります。
ですが、一度申し込みをしてからは毎月4日に引き落とし、毎月23日頃にファンドの購入を継続的に行ってくれます。
引き落とし日に銀行残高が足りない場合は引き落としされませんが、2ヶ月連続で引き落としされないと自動引き落としが強制的に終了となってしまうので注意しておきましょう。
私が初めて投資信託に挑戦した時に選んだインデックスファンドはセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドです。関連記事「【2017年】セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの運用実績【1年目】」
このファンドを選ぶきっかけになった書籍も紹介しておきます。
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