クラウンマスクメロンについての記事を作成している時に知ったのですが、農作物の流通経路ってイマイチ分かりにくいですよね。
今回教えていただいた時も最初は「変なシステムになってるな」と思いました。
さて、早速ですが、農作物が市場を通してスーパーなどに並ぶまでの流れをみてみましょう。
農作物の流通経路は一般的にあまり知られていないと思います。
流れは↓のようになっています。
農家→組合など→市場→卸業者→小売(スーパーや八百屋など)
組合にはJAや以前の記事で登場したクラウンメロン協会などが入ります。
卸業者の中にイオンやヨーカドーなど大手スーパーなどが含まれることもあります。
近所の八百屋などは最後の小売になっているはずです。
中には自分で市場に出向いて仕入れをしている方もいるかもしれません。
最初に紹介した流通の仕組みだと、例えば北海道で作られた「じゃがいも」が一度東京の大田市場などに出され、そこで競り落とされたものがまた北海道に戻ってくるということもあり得ます。
実際に以前の記事「クラウンマスクメロンの等級はどうやって決まるの?|富士・山・白・雪の違いについて」で紹介したクラウンマスクメロンはこの流れで流通しています。
静岡県で生産されたクラウンマスクメロンが一度東京や大阪の市場に出て、また静岡県に戻ってくるというよく分からない現象が毎日起きています。
とはいってもこの流通のシステムをすぐに変更することは困難です。
まず、青果市場では売掛金が7日締めとなっていて、7日ごろに仕入業者や仲卸業者は市場にお金を払わなければなりません。
ちょっとだけ掛け売りのことを説明しておくと、一般的な企業間の取引使われる掛け売りは一般消費者ではカード決済のようなものです。
月末までの買い物の代金が翌月末に銀行から引き落とされる。
これが掛け売りなのですが、青果市場の場合、この期間が7日となっているため、現金が大量に必要になってしまうのです。
例えば、1日~7日までに仕入れた商品の代金は8日に払わないといけません。
恐らく8日の時点では6日や7日に仕入た商品はまだ売れていないでしょう。
それでも仕入れの代金を払わないといけないので、仕入れる商品によっては数週間先に売れる商品の代金を今すぐに払わないといけないことにもなりかねません。
これが青果市場から大手仲卸業者がなくならない理由の1つだと私は考えています。
それなら産直で消費者に農家が直接売っちゃえばいいじゃん。
と考えることもありますが、問題はそう単純でもありません。
農家の方々が作成している商品は収穫の時期になると一度に大量の商品として発生してしまいます。
しかも、売るまでにもたもたしていたら商品が腐ったり痛んだりしてしまうというおまけつきです。
一般消費者はそれほど大量の商品を必要とはしていません。
仮に農家の方から「玉ねぎが5000個できたんだけど買わない?」なんて言われても買えませんよね。
JAなどの組合が未だに残っているのはこういったことも理由の1つです。
大量に生産した商品を購入してくれる取引先がいなくては商売は成り立ちません。
農業だって商売ですから、買ってくれるお客様がいないと農家の方が先に潰れてしまいます。
産地直送で販売を強化するのもいい選択なのですが、一朝一夕では販路は拡大できません。
しかも、生産と販売は驚くほど違う業種になります。
職人気質の農家さんでは一般顧客への販売になかなか骨が折れるかもしれません。
車だって、生産している工場と販売してるディーラーが別会社になってたりしますよね。
それほど作ることと売ることは違うのです。
今回縁があって、青果市場について学ぶ機会があったので、せっかくだからこういった情報を探している皆さんへも共有しようと思って記事を作成しました。
誰かのお役に立てれば幸いです。
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